11/03(金)「寂びたハイウェイ」

 

今日はネバダ州の南端、ラスベガスを小さくしたようなカジノタウン ラフリンから。4日ぶりの空調とベッドのおかげでとてもよく眠れた。昨日は遅めの夕食をT氏とご一緒し、その後それぞれのホテルに移動した。こちらはコロラド川に浮かぶ外輪船をイメージしたカジノホテル。彼は近くの、やはりカジノホテルみたいだった。

落ち合うまで1時間以上あるな。朝から開いているデリ&カフェがあるので、何か買って甲板らしきところでコーヒーでも飲もうか。

今日の予定は 1日かけて 残りの ルート66 をドライブする。サンタモニカまでは無理かな。

カリフォルニアに入ってから、ルート66 の色が変わるのを感じる。牧歌的印象は消え、乾燥と低い彩度が写欲を誘ってくる。このモハーベ管内がいちばん好きな ROUTE66 だ。

今回は過去に撮影した モハーベ66 の写真も織り交ぜながら進めていきたい。

昨日はネオン恋しさに ルート66から少し離れてしまった。これから ニードルズまで最短コースで ルート66 に復帰するが、本来のルートでオートマンからニードルズまでは 少し厄介なので 周辺地図を添えて簡単に説明したい。

オートマンハイウェイをトポックまで25マイル南下。ルート66で唯一の山岳道路から 見慣れた風景に帰ってくる。

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Ute Mountains, Oatman Hwy, Route66 / 2011

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13 Miles Post, Oatman Hwy, Route66 / 2011

Sの字を書く様に I-40W(インターステート40号線西行き)へ合流

目の前のコロラド川を越えればカリフォルニアだ。ふたつ目のExit148を下りて左折。 (参考:Easy Rider

5 Mile Rd → US95 を6マイル北上、I-40の高架をくぐれば ニードルズの街に入っていく。

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I-40 の高架下をくぐったあたり  ニードルズ の街はずれ

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鉄道とRoute66 の街 Needles, CA

ニードルズを出るとオリジナルのルート66は途切れ途切れに。I-40 やUS95に塗りつぶされていることも多いので、ここは黙ってI-40W に合流。Exit141、Exit139 どちらからでもいい。

Exit133 でUS95にチェンジ、6マイル先の踏切の手前を左折。この先からはオリジナル66が途切れずに続く。

この場所にあるロードサインを望遠圧縮で収めたら、ファインダーに3つの稜線を見つけて、嬉しくなった。

手前はデッドマウンテンズ、ふたつ目は昨晩越えたオートマンの山、いちばん奥はキングマンの南東にある ウォーロパイ・ピーク。(参考:Goool Earth 

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Arrowhead Junction, Route66, CA 

この先、フェナーまで40マイル 特に何もない。唯一在り続けるのが、サンタフェ鉄道だ。

ニューメキシコ州 アルバカーキからロサンゼルスの東、サンバーナディーノの区間はルート66のとなりにいつもBNSFが居てくれる。人工物が見つけられないような場所でも必ず近くにレールがあるので ひとり旅でも心強い。

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同軌道上にアムトラックのサウスウェスト・チーフがある LA-シカゴ間を42時間で結ぶ

フェナーにある24H営業のガスステーション。カリフォルニアに入ったとはいえ、レギュラーが1ガロン(3.785L)4.99ドルは確かに高い(2017.11時点 日本より高い)が、I-40Wは58マイル先のラッドローまでガスステーションは無い。反対の I-40Eは38マイル先のニードルズまで無い。

もしここが無くなったら96マイルの空白...

この辺りは夏普通に40℃越えてくるが、ガス欠になったらエアコンも利かない。ここは無くならないで欲しいな。

 

ところで 同時期アリゾナは2.49ドル前後だった。残量に関わらず、カリフォルニアに入る前に満タンか必要量を給油することをお薦めする。

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I-40 Exit 107

ガスステーションでの給油の仕方を書いていなかった。

クレジットカードがあれば大丈夫だろうと思われるかもしれないが、給油に関してはZIPCODE未登録の日本のカードは使えないので注意だ。

まずは給油機に車を停める。併設のコンビニレジに行って給油機番号を伝え、現金を前払いする。

聞き取ってもらえないかもしれないので、Can I get ~ は入れず肝心な単語だけ「Hi, fill up on No.5 please?」とか「20$ on 5 please?」 と言うようにしている。

これで給油機を使えるようにしてくれる。お釣りが面倒であれば満タン額未満の現金を支払う。設定金額で止まるはずだ。レシートが要らなければこのまま出ればいい。満タンにしたいなら多めに渡しておく。給油後、お釣りがあればレジに取りに行く。

「Change on No.5 please?」でお釣りを受け取り「Thank you」で「You're welcome♪」が返ってくる。

フェナーの先、I-40 の高架下を抜けると、旧ルート66 は通行止めになっていた。エセックスから東のナショナルトレイルズハイウェイが通れないらしい。

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I-40 Exit 107

仕方ないのでエセックスロードと連絡する Exit100 まで行ってみたが ここも通行止だ。これでエセックスの西側も怪しくなってきた。万が一この先の Exit78もダメだった場合、アマリロからサンタモニカの中でいちばん好きな区間が終了してしまう。

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I-40 Exit 78  →  Kelbaker Rd

Exit78 を左折、規制無し。 ケルバカーロードを南下、12マイル先に寂びたハイウェイが待っている。少なくともアンボイは大丈夫そうだ。

ルート66に合流。左折はやはり通行止めだったので、アンボイより東の Route66 は残念だがまたの機会に。

原因は何年か前の鉄砲水でいくつかの木橋が流されたため、Exit115 からここまでの40マイルを集中復旧工事しているとのことだった。

 

これまで この区間で撮影したものを いくつか置いておく。彼の地をイメージする助けになればうれしい。

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connection / Route66, ESSEX, CA  2010

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Regular holiday / Route66, Cadiz Summit, CA  2010

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Shoe tree / Route66, Amboy, CA

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Rusted Highway / Route66, Chambless, CA

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Sign / Route66, Chambless, CA  2011

さて 西へ。

ルート66 にさほど興味の無い方でも、映画やミュージックビデオで 一度は目にしているであろう、Motel & Cafe がある。

そのサインボードは、恐らくルート66全線でもっともイメージ通りのデザインで このハイウェイの象徴的存在だ。

リック・デッカード が自家用機で頻繁に訪れ、ロイ・バティ が別役で主演したサイコムービーに登場する店の名は「Roy’s Motel and Cafe」

 

好きなものが 各々勝手に引力を持ち合い、その力はこちらにも作用して また此処にやって来てしまった。と妄想するのも楽しい。

それでは 主観写真「Roy’s Cafe」を置いていく。

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Openness / Route66, Amboy, CA  2017

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Wabi-Sabi 2017 / Route66, Amboy, CA

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Cramped room / Route66, Amboy, CA

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Yearning / Route66, Amboy, CA

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View / Route66, Amboy, CA

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Crater / Route66, Amboy, CA

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Far away Santa Monica / Route66, Amboy, CA  2011

また 西へ。

アンボイの先、ラッドロウ までの30マイルもまたいい。寄って離れて並走するBNSF、路面状況も悪くない。

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Ludlow cafe / Route66, Ludlow, CA  2010

この画は2010年の Ludlow CAFE 。かろうじて建っている。90年代はまだ全盛期の面影を残していたらしい。そしていま 瓦礫になっている。

それとは逆に興ざめしてしまうほど リニューアルされる場合もある。アメリカの Wabi-Sabi を探しに来て ペンキ塗りたての対象を目の当りにすると、身勝手だが寂しい。例えば、直前の 寂びた「Roy’s Motel and Cafe」のサインボードは2019年に塗り直されていて、現在はまったく寂びていないのだ。

(このページは 「COVID-19」旋風の真っただ中、2020年のGWに書いています)

さっきの通行止めもそうだが、運やタイミングに左右されるところが大きい旅だということを忘れてはいけない。

 

ラッドロウから先は かつてルート66 を地図上から消した張本人、インターステート40号線(I-40)と仲良く並走しながら 次の目的地、ニューベリースプリングスを目指す。

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Route66, Newberry Springs, CA

年間降水量250mm以下、夏は40℃以上にもなる モハベ砂漠のど真ん中にある ニューベリースプリングスだが、その名の通り水が湧き出て小さな泉が点在している。調べてみるとアメリカ西部で最大規模の帯水層が地下に眠っているらしい。

幌馬車の時代から鉄道の黎明期、その後のモータリゼーションに至っても ここは文字通り砂漠のオアシスだった。

1987年の米独合作映画でも。

街の名を知らなくても 映画好きの方なら この街の Motel and Cafe を知っているかもしれない。

象徴的な給水タンク、5部屋ほどの簡素なモーテル、センスのいいサインボード、エアストリームに 給油機が3台、ブレンダのオフィス、それと大きな屋根のカフェ。

この Motel and Cafe をかたち作る それらは 時間を掛け少しずつ 風に消えた。

2010年、給水タンクは やぐらから降ろされていて ガスステーションとオフィスは既に無かった。

2011年、モーテルが瓦礫になっていた。

2017年現在、モーテルだった場所にはもう何もない。

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Rudi's home / Bagdad Cafe, Newberry Springs, CA

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Bagdad Cafe / Route66, Newberry Springs, CA  2010

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Bagdad Cafe / Route66, Newberry Springs, CA  2010

上の2枚は初めて訪れたときに撮影したもの。水平が出ていないと 違和感を感じる方がいるかもしれない。

しかし こちらはファインダーの中に自分の画を追っている。この水たまりを入れる以上、このフレーミングしか無かった。写真に於いてはこれからも自身の納得を最優先させていきたい。

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Tears of an angel / Bagdad Cafe, Newberry Springs, CA  2010

ブリキの天使は泣いているように思えた。

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Ad / Bagdad Cafe, Newberry Springs, CA

あの給水塔は現在2つに分離され、インターステート40号線向けオブジェになっている。もし バグダッドカフェを訪れたら、北の方向を探して欲しい。200m ほど先に置かれているタンクを見つけることができるはずだ。

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Heavy rain half a mile ahead / Route66, Newberry Springs, CA

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Rooms / Bagdad Cafe, Newberry Springs, CA

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Temptation / Bagdad Cafe, Newberry Springs, CA

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View of her room / Bagdad Cafe, Newberry Springs, CA

上空に青空と雨のボーダーライン。2011年のバグダッドカフェはタイミング良く 好条件だった。ここより北のモハベ砂漠やラスベガス方面は嵐の様だったと聞いた。

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Memory color / Bagdad Cafe, Newberry Springs, CA  2011

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Memory color / Bagdad Cafe, Newberry Springs, CA  2017

2017年、着いてすぐピンクになった。サインボードのネオンに少し期待をしていたが、いまのところ点灯しているところを見たことがない。

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I-40 / Bagdad Cafe, Newberry Springs, CA  2017

そして、闇に囲まれた。

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Sign / Route66, Newberry Springs, CA

このあとも ルート66 は続くが、日も暮れたし もうお腹いっぱいということもあり 下道をドライブしていない。

バーストーまで I-40W → I-15S に合流、1時間後には カホンパスを越えた。

​バーストーはロサンゼルスから車で2時間、飛行機が午後着なら初日の宿としてちょうどいい街だ。ウォルマートに行けば、この旅に必要なものが何でもそろう。

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MOTEL66 / Route66, Barstow, CA  2011

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The Road I Came / Route66, Helendale, CA  2011

カホンパスからは下りの高速ワインディングになる。例えるなら碓氷バイパス(R18)か天理方面に下っていく名阪国道(R25)か。日本より速度が速く車間距離も短いので下りは怖い。そして 片側4,5車線、ジャンクション前だと7車線になったりして どのラインが目的地へ連れて行ってくれるのかさっぱりわからなくなるのだ。もし初めてなら日中のドライブをお勧めする。

 

・平和だった中央レーンが突然本線ではなくなる → Googleストリート

・15 x 215 ジャンクション、時計の10時から6時方向へ。 → Googleマップ

・15 x 210 ジャンクション、時計の2時から9時方向へ。ここは合流失敗。 → Googleマップ

15 x 10 ジャンクション、ここを逃すと面倒、12時から9時方向へ。 → Googleマップ

無事 I-10W に合流し、40マイル先で初日にバーバンクまでドライブした I-5N に戻ってきた。

いま The Brewery Artist Lofts の外階段でダウンタウン・ロサンゼルスのスカイラインを眺めながら飲んでいる。

あこがれの ニューメキシコ, リオグランデ川のほとりラスクルーセスで買った Red Stripe を飲んでいる。

この味は 歳を重ねても ずっと覚えていることができるだろう。

11/4(土)

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