

昨日は600gのステーキを平らげた後、何もする気になれなくて、予約した 3マイル先のHOTELに直行した。
車窓に流れるモーテルのネオンサインは、どれも安い宿代をドライバーにアピールしていた。この街は宿代が安いようだ。
HOTELとは言っても50ドル以下ではMOTELとあまり変わらない。
ただフロントのチェックがあるので、何かトラブルを抱えていそうな人間は居ないだろうという安心感はある。
6日目「プエブロの夜」 ~アメリカ南西部 3475 マイル ロードトリップ の記し~



さて、今日も夜が明ける前から行動開始。
Route66 が東西に走り、鉄道のハブにもなっているアマリロだが、実は航空産業の街でもある。
先日もベル・ヘリコプター社で日本向け初号機V-22(オスプレイ)のエンジンテストが行われたばかりだ(2017当時)
観光する気になれば1日必要だろうが、これから西へ向かって、特に今日は単に距離だけじゃない時間と文化を飛び越える大移動をしなければならない。初日の580マイルよりハードになりそうだ。
The last star above Lonestar
夜明け前の月曜日、対向車線は街の中心へ向かうための渋滞が始まりそうだ。アメリカ人もよく働くじゃないか。
旧Route66 を暫く走った後、キャデラックランチ近くのExit62Aからインターステートに滑り込む。
前世紀のアメリカンカルチャーや、その残骸を触りに行こうか。
アマリロから30マイル、VEGAという小さな街の手前で太陽に追いつかれた。
今朝はまだコーヒーを飲んでいない。寄り道には早いけど一等星の名も気になるし、ちょっと寄って行こう。


夜明け前から営業している

街のランドマー クはこの給水塔のようだ
あまりのんびりはしていられないので先へ進もう。
ところで、いま走っている40号線はシカゴとサンタモニカを結んでいたRoute66を上書きした州間ハイウェイだ。
この先のExit23を出たところにある小さな街 エイドリアンはRoute66の中間地点。
シカゴまで1139マイル、サンタモニカも1139マイルということで MidPoint ともいわれているが、アメリカを代表する風景のひとつグレートプレーンズの真っただ中でもある。

最近、記念撮影ポイントになったようだ

独眼オールドマン

ツケマガール

老兵、マコーミック

風は吹かなかった
西へ進むにつれ Exitナンバーが18、15と小さくなっていく。次の Exit 0 はテキサス州とのお別れを意味するので少し寂しい。

Exit 0を出たが、まだ数百メートルはテキサスだ。
目の前に現れたのはガスステーション。もちろん営業はしていない。帰る間際に土産を手渡されたみたいだな。好物なので有り難くいただく。
*この後、廃墟系の写真が続きます。
撮影者の主観がより強く出ている画ばかりですが、ご容赦ください。

この手の撮影対象は、先ず ひと回りして、こちらを見ている顔を見つけることにしている。
チョウゲンボウはここだと言っている。右端のタイヤもルーフの傾斜もそう言っている。自分もここだと思う。

SELFと眼が合う。後の白い廃屋は自分をアクセントに入れろと言う。廃タイヤはフレームをもっと下げろという。オマエら、うるさいな。
雲はこのやり取りに関わりたくないようだ。
忘れられた道。 忘れられたガスステーション。 毎年咲く花。
こんな廃墟にも、あの日の人間の残像があって、タテモノや毎年ここで咲く花はそれを記憶しているかもしれない。


窓枠にしがみつく割れ残ったガラスのアピールがうるさいな。

気味が悪いと思うのなら、それは正常な反応だから安心して。
このガスステーションには、もう1枚の窓ガラスも残って無くて、そこに映る空は、外で見る空より美しいんじゃないかと思える。
直線的な州間ハイウェイに上書きされなかった区間は、今でも旧ルート66が残っているところも多い。州境の辺りからニューメキシコ州トゥクムカリまで旧Route66が通っていることは事前に調べていた。
ニューメキシコ州サン・ジョンまでは未舗装道だ。ダートの Route66 はこれまでドライブした覚えがないな。
空には適当な雲が浮き、大平原には旨そうな牛がまばら。バックミラーには延々と土埃が映る。
ところで州越えは昼過ぎだった。しかし州間時差があるのでまた午前。今日は正午を2回経験するわけだが、なんだか得した気分だ。
Route66, Glenrio, NM

Route66, San Jon, NM

ニューメキシコ州トゥクムカリ。Route66 を代表する宿場だ。Tucumcari はトゥクムケアリやトゥクムキャリの方が近いかもしれない。
上の画にある照明(手前と奥)のデザインがいい。
職業柄、工業デザイン的視点で2分ほど見たが、この位置に照明を配置するための最小部材であり、加工も最小限であることに気が付く。美しいわけだ。

この街のシンボル的存在を正統的な構図で1枚。
「ブルースワローモーテル」で検索していただければ、諸先輩方の解説を見つけられるはずだ。
ここでは、今日(2017年10月30日)は営業されている。とだけ記しておく。
自分の画なら「Blue Swallow」はこんなんでいい。